アメリカでの地位
日本だとなかなかパッとしないWebエンジニアの地位ですが、アメリカでソフトウェアやインターネット関連の企業が集中するシリコンバレーのエンジニアの平均年収は、おおよそ1,200万円台ともいいます。どうしてアメリカではエンジニアの収入が多く、地位も高いのでしょうか?
エンジニア出身の起業家
アメリカ発の有名なWeb系サービスの創業者をざっと挙げてみると、その多くが優秀なエンジニアだったという例が多くあります。Facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグは、ハーバード大学の工学部で計算機科学を専攻していましたし、Googleのラリー・ペイジも計算機工学をスタンフォード大などで学んでいます。Microsoftのビル・ゲイツは高校時代からコンピューターに親しみ、Appleのスティーブ・ウォズニアックも6歳の時にアマチュア無線機のキットを組み上げたり、ヒューレット・パッカード社でエンジニアとして働いたりしています。ほかにも、Twitterのジャック・ドーシー、オンラインストレージを提供するDropboxのアンドリュー・ヒューストン、開発者向け共有ウェブサービスであるGitHubのPJ・ハイエットらもエンジニア畑の人です。
アメリカのそうそうたる面々を見た後で、それでは日本で彼らに匹敵するほど有名なエンジニアは?と考えたときにパッと出てくる人はいるでしょうか。元ライブドアの堀江貴文さんは元プログラマですし、元ミクシィ取締役の衛藤バタラさんの名がなんとか挙がるくらいでしょうか。
なぜ急成長したのか
このように、アメリカのITベンチャーはその多くがエンジニアによって起業され、それが軌道に乗り、急成長・急拡大を遂げています。これらの企業が成功した秘密はなんでしょうか?
ITベンチャーは、はじめは自己資金で会社を立ち上げますが、成長の過程でVC(ベンチャーキャピタル)から資金調達をします。VCはアグレッシブな投資を行うことで知られ、いわゆるハイリスク・ハイリターンの資産運用を行います。高いリターンを期待して投資しますので、投資を受ける側のベンチャーは当然利益率の高いソフトウェア開発などの知識集約型ITビジネスに注力することになります。その結果、必然的に高いスキルや知識を有したエンジニアのニーズが高騰し、彼らが引く手あまたになるわけです。需要があればもちろん経済的に優遇されますし、地位向上にもつながります。冒頭、平均年収は1,200万円と書きましたが、なかには3,000万円以上の収入がある層もかなりの数にのぼり、やはり日本のエンジニアとは想像以上に隔たりがあるといえます。